没後50年 鏑木清方展  国立近代美術館

GWだからか月曜も開館していて、おまけに20時までということなので、仕事を終えた後に竹橋の国立近代美術館へ。東京は、今週末で終了となる鏑木清方展を鑑賞。

さすがの展示数で、もうどの作品にもうっとり。ここに住みたくなる。(笑)

鏑木の描く女性の着物は、女性の着物のにしてはかなり地味。同じ近代美術館所蔵の土田麦僊の「舞妓林泉」(4Fの常設に展示中)と比べると対照的だ。個人的には、鏑木の方が好きだなあ。凛とした美しに魅了される。静止画なのに、立ち振る舞いや仕草など動きまで伝わってくる。着物の絹の肌触りさえも感じられる。そして、写真で見るのとは違い、実物は筆のタッチや塗りの方向や流れも分かる。人物がメインに描写されているが、遠景に映る街並みや視線、ちょっと置かれた品々から当時の情景も想像でき、明治、大正、昭和初期を旅しているようだ。

落語好きには、有名な「三遊亭圓朝像」や昔の寄席の風景の絵も一興。泉鏡花樋口一葉肖像画も良かったなあ。

「明治風俗十二ヶ月」のその月々の風物誌は、日本的美しさの真骨頂だった。

 

常設展示の方は、大好きな川瀬巴水の版画はごっそりなくなっていたが、奈良原一高軍艦島の写真が観られたのは個人的に収穫だった。

 

入館前に通り雨があった。

kiyokata2022.jp