初めて小樽を訪れた際は、三井銀行小樽支店として現役で営業していた。その後2002年まで小樽市最後の都市銀行として営業されていた。こんな美しい建築の銀行だったら、用もなく来てしまいそう。2022年に国指定の重要文化財に指定された。床も天井もカウンターの意匠もその全てが美しい。白を基調とした統一感もとてもいい。設計は、慶応義塾大学図書館も手がけた曾禰中條建築事務所。
一階の金庫。竣工以来、三井銀行小樽支店、帝国銀行小樽支店、三井銀行小樽支店、太陽神戸三井銀行小樽支店、さくら銀行小樽支店、三井住友銀行小樽支店と名前を変えてきたが、その時々の看板が中に展示されていた。
これは戦前のものかな?
2階回廊からの眺め。
2階の会議室。天井の照明も素敵。
地下の貸金庫。
映画とかでよく見る部屋。
貸金庫を囲む回廊。昔、品川にあった原美術館の展示みたい。
天井を使ってプロジェクション・マッピングが定期的に行われている。
昔の公衆電話のデザイン、とっても好き。ロボットの顔みたい。
企画展「斎藤清展―真夏の雪景色―」が開催されていた。共通券で入場している場合は、プラス300円で鑑賞できたので、入場。
斎藤清は、1907(明治40)年、福島県会津坂下町に生まれ、少年期を夕張で過ごし、14歳で小樽へ奉公に出て働きながら絵を描き始めたということで小樽にも縁のある芸術家。真綿のような雪が印象的な会津の冬景色の版画は、とても素敵だった。ほとんどが白と黒の世界だけど、時折赤や緑を1箇所だけ入れたものもあり、それがまた印象的だった。全長約8.5mに及ぶ墨画の大作「柳津の全景」も初公開ということで、見応えのある展示だった。
8月31日からは、企画展「川瀬巴水と吉田博 新収蔵作品を中心に」ということで、そちらも観たかったなあ。
外観ももうたまらない。デザインがとっても美しい。小樽の街並みは、羨ましいほど素敵だ。また訪れたい街だ。