信州最古の温泉である別所温泉は、信州の鎌倉としても知られている。鎌倉時代の北条氏の一門である塩田流北条氏が別所を含む塩田平一帯を再興させ、当時の面影が随所に残っているからだ。
別所温泉の中心である北向観音の参道は、モダンなお店もできているが、今なおレトロな風情にあふれていて味わい深い。
かつては、会社の社員旅行などでやってきた団体の受け皿になっていたのだろうなというお店もちらほら。森繁久彌の駅前旅館シリーズのような宴会は苦手だけど、ああいうものが地方経済を潤していたのかもしれないなあ。
旧・臨泉楼 柏屋別荘
かつては、別所温泉を代表する宿だった臨泉楼 柏屋別荘。残念ながら宿としては2017年に閉業してしまったが、地域イベントや展示会、学生サークルなどの活動の場として建物が残されたのが嬉しい。
威風堂々とした木造4階建ての建物が聳えるこの宿には、かつて川端康成や黒澤明も宿泊したとのこと。昭和の巨匠が感じた雰囲気に宿泊して触れてみたかったなあ。
趣ある玄関もそのまま残っている。
宿時代の看板も残っていた。
現在は、柏屋別荘の倶楽部と称して、地域に根差した活動を行っている。
温泉街には、湯川が流れ、それに沿うように宿や外湯、お店が並んでいる。冬だったので、浴衣で散策する人は少なかったけど、暖かい季節には、浴衣で外湯巡りなども楽しいかな。
別所温泉にある3つの外湯(共同浴場)のひとつ大師湯。近くまで来ると硫黄の香りがして、温泉地に来たなあと実感できる。
こちらも外湯の石湯。
別所温泉の泉質と適応性は、こちら。泉質:単純硫黄温泉(低張性アルカリ性高温泉)
- 泉温:50.6℃
- 一般適応性:神経痛、筋肉痛、五十肩、運動麻痺、間接のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔病、冷え性、病後回復期、疲労回復、健康増進
- 利用別適応性:浴用/慢性皮膚病、慢性婦人病、きりきず、糖尿病。飲用/糖尿病、痛風、便秘
こちらは、見事な建築のかしわや本店。
3回お湯を掛けると願いが叶うという、湯かけ地蔵。
昔ながらの温泉街は、やはり風情があって散策も楽しいな。