晩春 <国立映画アーカイブ>

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死ぬ前に最後に一本だけ映画を観てもいいとなったら、小津安二郎の「晩春」かな。(もう一本洋画も選んでいいと言われたらベルイマンの「野いちご」。)

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原節子生誕100年記念映画祭で今夜は「晩春」を観てきた。小津安二郎の映画で初めて観たのもこの「晩春」。銀座の並木座で観た。 天女のような美しさの原節子にうっとり。物語は、娘が嫁に行く、ただそれだけ。それだけなんだけど、ここには日本的なるものの全てがある。いつも人間のエゴむき出しの映画ばかり観てしまうのだけど、死ぬ前の一本は、この映画を観て、人間の優しさに包まれて死にたい。 幸福の絶頂と孤独のどん底が一度にやってくる父親の姿を見事に演じた笠智衆のラストシーンも胸に焼き付いて離れない。

 

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