川瀬巴水の版画は、この世に残された美しいものの一つだと思う。 広重や北斎の浮世絵と違うのは、デフォルメされていないこと。写真のように見たままの姿が切り取られ描写されている。まさにその時代の記憶であり、記録である。 かつて日本は、こんなにも美しかったのかとため息が出る。
今回は、見たことがない作品も展示されていて、とても良かった。またいくつかの作品は、撮影可能だった。 影や光の色使いもすごいけど、雪と風の表現に圧倒される。版画でこんなことできるんだとびっくり。 残念なのは、図版が売り切れていたこと。ネットでの販売も無しとのことだ。