好きな監督一人だけあげろと言われたら、真っ先に浮かぶのがビリー・ワイルダーだ。あらゆるジャンルの映画を撮り、そのどれもが傑作だ。
今日は、NHK BSで初期の大傑作「深夜の告白」がやっていた。 当時の倫理観で、不倫の上保険金殺人というテーマでの映画製作はタブー。多くの大スターが出演を断る中、これまでとは全く異なる役柄の悪女を演じきったバーバラ・スタンウィックは圧巻。殺人に加担する保険営業員を演じるフレッド・マクマレイもアメリカのお父さん的な優しい喜劇役者。異色のキャストでタブーに挑み、その後の全てのサスペンス映画に影響を与える作品となった。 原作は、ジェームズ・M・ケイン。そう、あの「郵便配達は二度ベルを鳴らす」の作家。どちらも実際にあった不倫殺人事件がベースになっている。
