燃えつきた地図 <国立映画アーカイブ>

久しぶりに京橋の国立映画アーカイブで映画。近代美術館から独立して名称が変わっていた。

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高校の頃読み耽った大好きな安部公房原作の映画。「砂の女」は過去にスクリーンで何度か観ているのだが、「燃えつきた地図」は初めて観る。 原作の安部公房が脚本、監督と音楽は「砂の女」と同じくそれぞれ勅使河原宏武満徹。「砂の女」はモノクロだったけど、こちらはカラー作品だ。

昭和40年代の東京の風景、なんかいいなあ。都会の中で失踪した人を探しながら、だんだんと自らも都市の中で見失っていく様がよく描かれたいた。 勝新太郎の映画ってあまり観たことなかったけど、すごい存在感。太った丸いおじさんのイメージだったけど、横顔は鼻が高く、しびれるくらいかっこいい。朴訥な男を印象的に演じていた。ちょっと勝新太郎の他の映画も観たくなった。 市原悦子はどの映画観てもすごいのだけど、渥美清はやはりどうしても寅さんとだぶってしまう。しかしこの映画では内向的で自殺してしまうというちょっとイメージと違う役所だった。

安部公房の作品を全部読み返してみたくなった。