映画

霊魂の不滅

Amazon Primeで100年前のスウェーデン映画を観た。日本語字幕がおぞましいくらい支離滅裂でひどいのだが、映像と後から付けた音楽がすごいので観入ってしまった。 サイレント映画って、台詞が無い分、役者の目や表情、仕草の迫力がすごいね。モノクロの陰影…

海炭市叙景

なんか切ないねえ。 人間は、どんなにつらくても生きていかねばならぬのか。どんなにつらくても不幸でも時間は、淡々と流れていく。 函館がどこにも存在しない架空都市として描かれている。何度も行ったことあるし、とっても有名な場所が出てくるのに、他の…

ノマドランド <TOHOシネマズ日比谷>

こういう映画70年代にはたくさんあったな。懐かしい雰囲気。「ファイブ・イージー・ピーセス」とか思い出した。 最初、ドキュメンタリー映画みたいと思ってしまったけど、主演のフランシスと助演男優以外は、すべて実際のホームレスの人だった。そのリアルな…

晩春 <国立映画アーカイブ>

死ぬ前に最後に一本だけ映画を観てもいいとなったら、小津安二郎の「晩春」かな。(もう一本洋画も選んでいいと言われたらベルイマンの「野いちご」。) 原節子生誕100年記念映画祭で今夜は「晩春」を観てきた。小津安二郎の映画で初めて観たのもこの「晩春…

驟雨 <国立映画アーカイブ>

国立映画アーカイブで成瀬巳喜男監督、原節子主演の「驟雨」を観てきた。この映画は、映画館でかかる度に観ているな。ほとんどがここだけど。 成瀬巳喜男と言えば、大作「浮雲」が有名だけど、「浮雲」は生きていくのが嫌になるほどズシンとくるよねえ。 同…

TENET <TOHOシネマズ日比谷>

久しぶりに映画館で新作映画を観てきた。 クリストファー・ノーラン監督の「TENET」。 まあ、なんとも分かりにくい映画だわあ。 ようは、ラテン語の回文【SATOR AREPO TENET OPERA ROTAS(農夫のアレポ氏は馬鋤きを曳いて仕事をする)】を映像化したのねって…

バンド・ワゴン

Amazonプライムでフレッド・アステアの「バンド・ワゴン」を鑑賞。 お馴染みのナンバー「That's Entertainment」に心躍り、夜の公園でアステアとシド・チャリシーが踊る「Dancing in the dark」の美しさにうっとりし、クライマックスのジャズ風殺人ミステリ…

もったいないキッチン <シネスイッチ銀座>

もったいない精神を持ちながら年間フードロスの量は世界トップクラスの日本。 その矛盾に鋭く迫るというよりは、廃棄される食料を使って料理して食べようとする内容のドキュメンタリーだ。 流通や経済に起因するところも大きいものの消費者一人ひとりができ…

デッド・ドント・ダイ <TOHOシネマズ日比谷>

ジム・ジャームッシュの映画、好きなのよねえ。そして、ビル・マーレイも好きなのよねえ。トム・ウェイツも好きなのよねえ。アダム・ドライバーも「スターウォーズ」はパッとしなかったけど、それ以外の映画はみんないいねえ。 ジム・ジャームッシュがゾンビ…

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト <ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場>

久しぶりの映画館での映画鑑賞。日本初公開時は、「ウエスタン」という邦題だった「Once Upon A Time In The West」が再公開。これは、やっぱり映画館の大スクリーンと大音響で観たい映画の筆頭だ。 オープニング、荒涼とした平原の駅で汽車の到着を待つ3人…

エンドレス・ポエトリー

Amazonプライムで映画鑑賞。 見逃していたホドロフスキーの「エンドレス・ポエトリー」を。 ホドロフスキーらしい不思議な映像とちょっとフェリーニチックなユーモアに魅せられる。 自分自身を見つめ直す題材は、寺山修司の「田園に死す」を想い出した。 タ…

心の旅路

本日のNHK BS映画「心の旅路(原題:Random Harvest)」 戦争による負傷で記憶を失った男は、入院中の病院から抜け出し、踊り子のポーラと出会い恋に落ちる。二人は逃避行の中、男は名前をジョン・スミスとして結婚し子供をもうける。貧乏だけどささやかな幸…

独裁者

NHK BSでチャップリンの「独裁者」がやっていた。 コロナで世界が分断する中、今全人類が観るべきはこれじゃない? 地球儀のシーン、ラストの演説は、何度観ても鳥肌が立つ。 独裁者 The Great Dictator [Blu-ray]

深夜の告白

好きな監督一人だけあげろと言われたら、真っ先に浮かぶのがビリー・ワイルダーだ。あらゆるジャンルの映画を撮り、そのどれもが傑作だ。 今日は、NHK BSで初期の大傑作「深夜の告白」がやっていた。 当時の倫理観で、不倫の上保険金殺人というテーマでの映…

ドクトル・ジバゴ

今日は、NHK BSで「ドクトル・ジバゴ」。 何度も観ているけど、3時間半があっという間だ。 ジュリー・クリスティも綺麗だけど、大自然の美しい映像とモーリス・ジャールの音楽に酔いしれてしまう。 ロシア革命と第一次世界大戦という歴史の波に翻弄される壮…

大陸横断超特急 / Silver Streak

Gene Wilder2本目は、「大陸横断超特急 / Silver Streak」 ミステリー、サスペンス、ラブ・ロマンス、アクション、コメディとあらゆる要素が詰まった超大作。 ロサンゼルスからシカゴへ向かう長距離列車内で著名な教授が殺害される。二転三転する物語にハラ…

ヤング・フランケンシュタイン / Young Frankenstein

引きこもり映画生活。今日は、Gene Wilder デーにする。 まずは、Mel Brooks監督で共同脚本の「ヤング・フランケンシュタイン / Young Frankenstein」。 脚本ができたところでものすごい映画になると確信しただろうけど、演出、俳優、照明、セット、音楽、そ…

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ

バンクシーのドキュメンタリーかと思ったら、バンクシーが監督したドキュメンタリーだった。 ストリート・アーティストの記録だが、ビルや公共物の壁に描くのは犯罪でもあり、その記録にもなっている。されどバンクシーなど影響力のあるアーティストの登場で…

洲崎パラダイス赤信号

今日の引きこもり映画。 川島雄三監督の「洲崎パラダイス赤信号」。僕は、同じ監督の「幕末太陽傳」よりはるかにこちらの方が好き。 人が人を愛するって本当に不思議、説明できないその何かが表現されている。登場人物のそれぞれに深く語られない人生の闇が…

光のノスタルジア

チリのアタカマ砂漠。地球ではないまるで別の惑星のような荒涼した砂漠、そこに作られた天文台。美しい自然のドキュメンタリー映画と思いきや、その過酷な環境から軍事独裁政権時代に強制収容所が作られ、今もその犠牲となった家族の遺骨や死体を探して砂漠…

タクシードライバー /  TAXI DRIVER

なんか面白いテレビ番組もないし、久しぶりに「タクシードライバー」を鑑賞。 オープニング、煙の中から現れるタクシーと車の窓ガラスに映り込んだニューヨークの眩いネオンにバーナード・ハーマンの音楽が重なり、いきなり心を鷲掴みされる。 鏡の中の人物…

イースター・パレード

「イースター・パレード」をAmazon Primeで観た。 フレッド・アステアのダンスがもう次元を超えていて見惚れたぁ。 MGMミュージカルをこの自粛期間に観まくろうかな。 イースター・パレード [Blu-ray] フレッド・アステア Amazon

無宿

最近は、BSで映画ばかり観てる。 今日は、高倉健と勝新太郎の唯一の共演作「無宿」。 監督・脚本は、「津軽じょんがら節」のコンビ。 子供の頃は、任侠映画だと思ってたけど、まあそうなんだけど、ベースとなっているのはフランス映画の「冒険者たち」とのこ…

お早よう

BSで小津安二郎の「 「お早よう」 小津安二郎生誕110年・ニューデジタルリマスター [Blu-ray] 佐田啓二 Amazon 」がやっていた。小津の作品の中では地味なので、名画座でもなかなかかからない。僕も劇場で観たのは一回だけ。 とある一家の隣近所の普通の話。…

さらば、わが愛 覇王別姫

NHK BSでやっていたので、久しぶりに鑑賞。 日本軍の侵略、戦争と辛い時代を背景にした京劇役者の愛の物語であるが、もっとも過酷で残酷なのは文化大革命時代の場面だ。愛や芸術に対する信念すらも踏みにじってしまう裏切りの吐露は、人間として生まれてきた…

魔術師

未見だったベルイマンの「魔術師」 見入ってしまった。オープニングから映像にどんどん引きこまれる。クライマックスのオカルトチックなホラーシーンは、CGの無い時代に驚くべき映像表現で度肝を抜かれた。 背筋も凍る恐怖映画、サスペンスのようで実は人間…

ナイブス・アウト <TOHOシネマズ日比谷>

ミステリーを期待していくと肩透かし。ハッとさせられるトリックもなく、どんでん返しも平凡。ハラハラドキドキもない。 俳優の演技は、大げさで仰々しい。むしろ、ドタバタコメディとして秀逸。暇つぶしに観るコメディ映画としてならあり! TOHOシネマズ日…

CATS <TOHOシネマズ日本橋>

ニューヨークのブロードウェイで観た舞台の「CATS」には魅了され幸せな気分になったが、映画の「CATS」は馴染めなかった。舞台で生のダンスを観るのにはいいが、そもそもストーリーが映画で2時間追えるものではない。CGが多用されすぎて、踊っている人間の動…

パラサイト 半地下の家族 <TOHOシネマズ日本橋>

貧困家族が金持ち家族に寄生していくブラック・コメディだが、二転三転する物語は、後半サスペンス・ホラーへ。とにかくぶっとんでいて最後までスクリーンに釘付けになる。 ちょうどこの映画の公開に合わせ、テレビ東京のWBSで半地下に住むということはどう…

スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け <TOHOシネマズ新宿>

スターウォーズ観てきた。 かなりがっかりで退屈だった。 やっぱり、J・J・エイブラムスは生理的に受け付けないわ。